宮崎日日新聞

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 ▲ ハーバリウムも紹介していただきました!

[メモ]

 県によると、2015年の本県全体のコチョウランの生産面積は424アールで、出荷量は15万1000鉢。生産額は宮崎市のほか、1人が栽培している新富町も含めると約12億円。県全体の花卉生産額81億円のうち、最も大きな割合を占めているほか、県が実施したアンケート調査では、生産面積は全国5位を誇っている。

 

 

 

 

 チョウのように華やかな花弁がハウス内を色鮮やかに染め上げるー。贈答用の花卉(かき)として人気を誇る「コチョウラン」。人事異動などが重なる4月は、書き入れ時を迎える。県内随一の産地である宮崎市。同市阿波岐原町の「愛華園芸」のハウスでは、大輪の花々が咲き誇る中、従業員が花が傷つかないよう丁寧に出荷にあたっていた。

 県内では1981(昭和56)年に宮崎市赤江地区で初めて栽培が始まり、85年ごろから市内全体で生産が広がった。県によると、現在は宮崎市に生産者が集中し、最も多い13人がJA宮崎中央洋ラン部会に所属。同部会の昨年度の売り上げは約11億6千万円に上る。

 主力は、管理が比較的容易な「V3」呼ばれる品種。白い大輪の花弁をつけるのが特徴で、全国的にも広く栽培されている。なかでも本県産は花が大きく、長持ちするため、市場での評価も高いという。「愛華園芸」社長で、同部会長も務める桑畑新一さん(46)は「日照時間の長さや温暖な気候が栽培に適している」と説明。その上で、「品質管理を徹底したり、仲間と生産技術を共有したりすることで日本トップクラスの質を誇るようになった」と胸を張る。

 月に約3千鉢を出荷する同社。ハウスには温度、湿度調整のための冷暖房を完備し、品質を高めるために日照時間の調整にも気を使う。日光を当てなければ花弁は小さくなり、当て過ぎれば茶色く日焼けする。このため、日光の強さを見極めながら、小まめに天井の遮光ネットを開閉する必要があり、桑畑さんは「より良いものを育てるため、365日コチョウランと向き合っている」と力を込める。

 1月に愛知県で開かれた「全国花き品評会」。「洋らん部門」の上位20位に、本県産は9品目入った。その実力を全国に見せつけたが、「県内での周知があまり進んでいない」と桑畑さん。県民に広く知ってもらおうと、ドライフラワーや、花びらを使った雑貨など、生活に身近な商品の開発にも力を注ぐ。花言葉は「幸福が飛んでくる」ー。「コチョウランの美しさを知ってもらい、大切な人に幸せな気持ちを届けるプレゼントにしてほしい」と願っている。 

 (写真映像部・横山侑季)

 

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