No.A1749 2007/09/15
【種類:LED(発光ダイオード)で胡蝶蘭栽培】 |
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ひろしさん こたえ>
こんにちは、 一鉢目は今年の7月植え替えと9月初旬の状態ということですね。順調に育っているようです。萎れていた葉も回復したように見えます。
二鉢目は今年の5月に植え替え6月には新しい根が出始めて新葉は展開せずに花芽が上ったとのことですね。 これはちょっと不思議ですね。花芽は新しく形成されたというより冬に出来ていたけれど潜んでいたと考えたいところです。「株に余力があり、花をまだ咲かせ続ける力があったのに切られたのと、植え替えはあまりストレス無しに行われたので用意してあった予備の花芽を成長させた。」と考えるのが自然な気がします。
たしかにこのパターンではLEDだけで成長させて花芽を形成できたというわけには行きませんね。 明るさ(照度)はどのくらいになっていますでしょう?ルックスメーターなどで照度を計測してごらんになったことはありませんか?個体差もありますが3,000〜7,000ルクスあたりが胡蝶蘭が普通に育つ最低ラインかと思います。もちろん照度だけではなく波長の分布(色温度)も問題になりますが、、、あとは照明を与える時間ですね。
花芽の形成は日長(長日、短日)より気温に左右されると思いますが。 また暗い時間が無いとガス交換がきちんとできない惧れがある(コチョウランンが夜にだけ気孔を開くCAM植物であるか否かは調査した文献を見たことがないので分かりませんがその可能性は高いと私は考えています)のでそのインターバルの設定などもどのようにされているかお知らせください。
2鉢目見直したてみたら、新葉も2枚展葉してますね。一枚目の葉は元から小さく見えていた、2枚目は花芽とともに成長した、ということでしょうか?
肥料についての質問をわすれました。どんな成分のものをどのように(倍率・回数など)与えられましたでしょうか?
また他のミネラル製剤(メネデール他)やホルモン剤などはお使いだったでしょうか?
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早々にご回答いただき、ありがとうございます。
ご回答の中の質問の件ですが、実験と言いましても、厳密に管理しながら行っている訳ではありませんので、わかる範囲で回答させていただきます。
まず、LED照明の照度の件ですが、測定器などを持っていませんので、どのくらいの照度かわかりません。
インターネットで調べて、赤色のLEDが光合成に効果的との情報がありましたので、赤のLEDを主体としたライトを自作して使っています。写真に写っている白い六角形のものがLED照明です。点灯するとピンク色の照明になります。一鉢あたり5個程度使って、近い位置から照らしています。
照明を当てている時間ですが、私の生活サイクルにあわせて、朝6時頃から夜11時頃までです。特に理由はありません。
2鉢目の生育状況ですが、確かに、花芽と同時に新葉も出てきています。LED照明を点灯した状態ですので見にくくなっていますが、現在の写真を添付します。
3枚目の写真と比べると、新しい葉が3枚増えています。
現在、4枚目の葉も出つつあります。 肥料の件ですが、これも適当に与えていますが、現在、約一週間おきに水やりを行っていますが、2回に1回程度、液肥を与えています。
液肥は、アルゴンフラッシュというもので、約2000倍に薄めたものを与えています。それ以外は何も与えていません。
以上です。よろしくお願いします。
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ひろしさん こたえ>
しげさん、追加情報ありがとうございます。
LEDは基本的に波長がひとつなわけですが、葉緑体における光合成はすべての波長の光で行っているわけではないので直射、反射を問わず太陽光線でなくて構わないわけですが、、、LEDが無い時代の植物育成灯というと緑みを帯びた蛍光管でしたが、緑が緑の葉に対して浸透がよいのだと聞いた事があります。
いまやLEDの時代で、赤のLED単波長、24時間照射でのレタス栽培が効率がよいのだそうですね。レタスがCAM植物でないのは確かですから、暗い時間さえ必要としない。しかも昼夜無ければ花芽もつかない(短日で花芽分化するため)、ただひたすら食用部分である葉を成長させるので工場生産にもってこいとか、、、
さてこれまでのしげさんの実験は非常に実りあるものだと評価できると思います。特に多肥ではない(アルゴフラッシュ汎用ならN:P:K:=6:6:6で、その2000倍液を2週に一回というのは標準的)のに葉の成長はかなり良いですね。通常だったら、窒素多肥の懸念があると申し上げるくらいの成長ですが、、、赤い光が光合成がの点で優れているのはレタスばかりでなく、胡蝶蘭も基本的に同じ葉緑体で光合成しているわけですから理屈にもあいます。
夜の時間が7時間というのも日本の長日よりは短いですが、胡蝶蘭の生活習慣を乱すものではなさそうですね。今のところなんら問題は無いどころか非常に良い成長をしめしているわけですが、まだひとつの関門が残っています。それは花芽分化です。
通常光線での栽培環境下では温度低下が花芽分化の引きがねになることが知られています。キクのような短日条件は無いのですが、花芽形成はホルモンの作用であり、光合成(=成長)とは別のものです。果たして赤い光の下だけでそのホルモンが気温低下によりきちんと作られ働くかどうか?が残った関門というわけです。
夏に咲いた花は前年冬に形成されていた花芽が延びだしたものですから、赤い光の下での花芽形成の可否は私も興味津々です。是非これからも経過情報をお知らせくださいますようお願いします。
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色々とアドバイスをいただきありがとうございます。
これからどうなるかわかりませんが、引き続きLED照明で育てて見たいと思います。長期戦ですが、万が一、花芽が出てきたら、報告させていただきます。
なお、使用しているLED照明は、赤色のLEDに、青色LED,緑色LEDを組み合わせたものを使っています。深い意味は無いのですが、光の3原色の波長が含まれたほうが良いのではないかと思い、そうしています。赤色LEDが多いのでピンクの光に見えていますが。
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ひろしさん こたえ>
3波長混合なら、おそらく大丈夫でしょう。その強弱バランスはともかく、最近の高照度蛍光管も三原色の3波長混合型が多いのですが、私は補助照明にはそのタイプを使っております。
ひとつ気になりましたのは、やはり成長が良すぎるくらい良いので、葉の丈夫さがちょっと気になります。
アルゴフラッシュ液肥は何種類かあるのですが、そのどれをお使いかお知らせいただけますでしょうか?
アルゴフラッシュの場合観葉植物用といっても極端に窒素分が多いわけではないのですが、それでもカリ分が多少すくなめで、葉が少し軟弱になるリスクがあります。花用、汎用であれば問題ありませんが。
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色々と心配していただき、ありがとうございます。
質問の液肥の件ですが、アルゴンフラッシュのフラワー液肥(NPK 4.6.7)と書いてあるものを使っています。
成分構成の意味がわかっていませんでしたので、近くの園芸店で、目に付いたものを買ってきたものです。
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ひろしさん こたえ>
しげさんこんばんは、 アルゴフラッシュ花用ですね、、、窒素含有率は高くない液肥なにのに葉の成長が著しい。赤色LEDの効果でしょうか。
一般家庭ならともかく、生産者なら、愛華園芸さんとしても育苗段階では考慮に価するものではないでしょうか?ね、こちょうらんさん、、、
播種にしても、ステムプロパゲーション(クローン)にしても、育苗時間を短縮できるメリットは大きいのでは? 。
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LED照明の効果があるかもしれないと評価していただき、ありがとうございます。希望を持って続けられます。
ところで、「葉の成長が著しい」と書いてありますが、通常どの程度なのでしょうか。 また、育苗(?)にも役立つのではないかとありますが、私が、その苗を手に入れて試すことが可能でしょうか。
面白そうなので、一緒にやってみようと思いますが。
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ひろしさん こたえ>
しげさん、すみません。このサイトの管理人、こちょうらんさんに振ったつもりのコメントでした。紛らわしいコメントでごめんなさい。
胡蝶蘭に限らず、蘭の実生稚苗、クローン稚苗の育苗は栄養素を添加した寒天培地で無菌の状態で行います。エビネの苗などフラスコの中で培養している画像をごらんになったことはありませんか?小規模にも出来るとは思います。胡蝶蘭の場合は人工授粉からですね。
必要な施設の一例として
http://www.geocities.jp/neofine9/bio/bio.html
このほか参考書などは、「蘭、無菌培養」で検索すれば探せると思います。
成長が著しいと書きましたのは5月に植え替えたものが、花芽を成長させただけでなく4枚の葉を展開したというのは、私のものと比べての話です。
冬に一度休眠させ(冬場最低気温が12度程度)春から花芽を伸ばして晩春、初夏に開花させている私の胡蝶蘭の葉の展開枚数はシーズン2枚がいいところです。開花をサボる株が数の中にはたまにあるのですが、それでも2枚が限度です。
私としては株を大きくするより毎年一定レベルの花を咲かせられれば良いと考えていることもあり、またそれでもアマビリスなどは毎年花芽を両側2茎出してたくさんの花をつけるのものですから、それで満足しているということでもありますが、、、。
毎年2枚でも葉の損耗が1枚で済めば株は毎年大きくなりますね。栽培場所が限られるのであまり大きくしたくないという理由もあります。
肥料は成長期にハイポネックスの微粉6.5:6:19の3,000〜4,000倍と10月に開花促進用液肥0:6:4の1,500倍を月に2度ほどがまじめに取り組むシーズンですが、20年以上栽培継続して来た期間の中には、仕事が忙しかった時など成長期にも水だけだったシーズンもあり、そうすると葉は展開一枚損耗一枚ということが多いです。
何年も植え替えをしないでミズゴケがボソボソになってくると展開一枚損耗二枚という具合に株が小さくなりはじめます。それでも着花数は少なめでしたが花をサボる株はほとんど無かったですし、肥料が少ないためか根腐れも経験ありません。いったいミズゴケ植えは根腐れしやすいなんて誰が言い出したものか疑問に思います。根腐れの原因として水、肥料のやりすぎというケースが多いですね。
「成長しすぎ」を心配いたしますのも、肥料、とくに窒素分過多の場合が多いわけですが、病気にかかりやすくなる場合が多いのです。
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