No.3846 2009/10/03
【種類:胡蝶蘭 水やりの相談/開花中の水やり 】 |
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まさこさんから
はじめまして。胡蝶蘭大好きのまさこです。
2週間ほど前に、4鉢の胡蝶蘭を買ってきました。
いつもトラブルのは、開花中のお水のあげ方です。蕾の固い部分には霧吹きをしてくださいといわれたので、3日に一度ほど霧吹きをかけていたら、どうやら蕾が腐り始めた様子。
写真のとおり購入時はとても元気なのに、霧吹きで根に水をあげた翌日に根元近くの花からしぼんでしまうなど、どうやら私の水のあげ方には問題があるようです。
なにがいけないのでしょう。。どうしたらいいのでしょうか?
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ひろしさん こたえ>
>蕾の固い部分には霧吹きをしてください
こんなことをしなくても胡蝶蘭のつぼみは、開くときは開けますし、落ちるときは落ちます。
購入されるとき、長く楽しみたいのでつぼみが多いものを求める気持ちは分かるのですが、実は胡蝶蘭に限らずつぼみが固いうちは環境変化に弱いのです。開く前兆の色が乗ってくればまず開けるのですが。
胡蝶蘭を園芸店で購入する標準的なルートは、生産者〜卸売り市場〜地方市場〜園芸店なのですから環境はかなり変わりますね。それでも気温がある程度の範囲で、かつ空中湿度のある環境であれば、つまり晩春〜梅雨〜初夏の頃はそんなに気を使わなくても、気候自体が胡蝶蘭の開花に向いたものなので、つぼみはかなりの確率で無事開花するのです。また花後の株を温室の無い一般家庭で育てるプロセスに移行するにももっとも適した時期です。
ところがいまや季節は秋、今開花している胡蝶蘭は実は春だと思わされて育てられたもの、つまり半年抑制されたか、促成されたものなわけです。胡蝶蘭は春だと思って咲かせたのに、温室を出たら秋だったというわけです。これは条件の変化が大きいので固いつぼみは開けない確率が大きいのです。
まさこさんの管理のせいではなくて、誰が買われてもおそらく結果に大差はないと思います。
春〜初夏以外の季節にお求めになるときは一番先のつぼみが開きかけくらいのものにとどめておくべきです。開きかけてしまえば意外に花はつよいです。
秋は胡蝶蘭を買う時期としてはリスクが高い季節と言えるのです。
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ご指導ありがとうございます。この胡蝶蘭は、生産者から直接買ってきました。
じつは、以前にも胡蝶蘭を購入しては自宅で何度も花を咲かせていたのですが、咲かせる事はたやすくできても花をもたせることができなくて、一ヶ月もの間咲いていたなどと話を聞くたびに何がいけないのか(?)と悩んでしまっていました。
開花時期だから、普段より水遣りを多めにしたりとか。。
都内のマンション住まいですので、室温は真冬でも暖かく問題はないように思いましたが、むしろこの季節は暑くてダメになってしまったのかなぁーと。。
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ひろしさん こたえ>
胡蝶蘭の花は咲かせた環境で咲かせたままにしておけば2ヶ月〜3ヶ月くらいは咲き続けるものが多いです。種によってそんなに長く鑑賞できないものがありますが一ヶ月保たないのは管理方法によるのでしょう。
一番考えられるのは株が成長モードになってしまう「水遣りと施肥」でしょうね。
原産地では胡蝶蘭は乾期から雨期への切り替えの時期に花を咲かせます。胡蝶蘭は雨期に葉を増やし、乾期に入ると成長は止めて花芽を作り花芽だけ成長させ、気温が上る乾期明けの時期に開花させます。
花を長く鑑賞したい場合は、「雨期」にしてしまってはいけません。雨期への移行を遅らせれば花はいつまでも咲いていようとします。雨季に入ると葉を成長させるため花を打ち切り根や葉を成長させようとします。
胡蝶蘭は環境に大変敏感な植物ですから水遣りが増えると「花なんか咲かせていられない、成長モードに切り替えなきゃ、、、」と反応してしまうのです。
施肥も同様で、胡蝶蘭の肥料分は主に雨期のスコールにともなう微量の硝酸分ですが、硝酸分(チッソ肥料)があると「葉をのばさなきゃ!花は邪魔だ」という反応が加速されます。
胡蝶蘭を毎年開花させ株が小さくならないようにするにはこの原産地の気候に合せた成長サイクルを出来るだけ忠実に再現してあげることが大切です。そんな意味でも出来れば旬の春に花を買えば、通常サイクルへの移行は易しいですよ。生産者は年中販売したいでしょうけれどね。
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>胡蝶蘭は環境に大変敏感な植物ですから水遣りが増えると「花なんか咲かせていられない、成長モードに切り替えなきゃ、、、」と反応してしまうのです。
・・そうでしたか(T_T)
冷房が効きすぎているような環境でも、まるで日の当たらない劣悪な環境でも長い間開花しているのに・・。なにか私に問題があるのだろうと思っていました。
よくわかりました。 まだまだ失敗を繰り返すでしょうが これで疑問がなくなりました。ほんとうにありがとうございました。
また困ったことが起きたとき、おしえてください。
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No.2237 2008/10/19
【種類:胡蝶蘭 水やりの相談/水やりについて】 |
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とも さんから
はじめまして。
いつも拝見させていただいています。いろいろ参考にさせていただいているのですが、ちょっと不安な状態になってきたので投稿いたしました。
頂き物の胡蝶蘭です。7月にいただき植え替えをしました。
3鉢とも葉に元気がなく、厚みがなく下に下がってしまっています。
一昨日、ハイポネックスを指定よりも薄めてコップ一杯ほどずつあげました。このような処置でこれからの季節を越えられるのか不安でなりません。
水不足でしょうか?
今後どのように対処すれば良いか、教えてください。
よろしくお願いいたします。
ちなみにどの鉢も新芽と新葉が出てきています。
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8月に一度葉やけをおこしてしまい、一番奥にある鉢は真ん中の部分が腐ってしまい、虫が湧いたりと大変だったのですが殺菌して一応新芽も新葉もでてきました。しかし新しい葉が真ん中ではなく横から出てきてしまいました。
この鉢も今後どのように対処してあげれば元気になってくれるでしょうか?よろしくお願いいたします。
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ひろしさん こたえ>
こんにちは、水不足の症状なのは事実と思いますが、その水不足の原因が「根の不調」のように思います。やはり化粧鉢にミズゴケ植えでは水持ちが良すぎて湿っている時間が長く根の生育にあまりよくないのです。素焼き鉢に植え替えていれば、その乾きの早さに最初は驚かれるとは思いますが、根は早く回復できたでしょう。胡蝶蘭のような着生ランは根が定期的に乾くことが必要なのです。一度根を乾かしてから次の水遣りをするということを繰り返すことによって根の伸びが良くなるのです。
かといってこれから植え替えるのも不適期ということもあり、考え物ですので、現状のまま根を伸ばさせるために、鉢への水遣りをやめ、葉裏を中心に葉水を毎夕与えることにしてください。このとき、メネデール100倍液にすると回復が早まります。ミズゴケは表面が湿る程度に抑えてください。
液体肥料は一週間に一度5000倍(指定の5倍の薄さ〜1/5の濃度)ほどに薄めて株全体にスプレーします。
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ともです。
先ほど投稿したのですが、わかりにくいかと思い、写真を追加します。
新しい葉が横から出てきてしまった鉢のアップです。わかりますでしょうか?
黄色くなった葉の真下に二センチ程、葉っぱらしきものが出てきています。
なんとかがんばって育ててあげたいです。。。
よろしくお願いいたします。
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ひろしさん こたえ>
通常の成長点(新葉を出す部分)が損傷枯死したので、潜芽から新たな成長点をつくり出して新たな株に生まれ変わる第一歩を踏み出したところですが、、、左側の葉が黄変し始めていて、これも落ちてしまうと思うのですが、、、再度殺菌剤を枯死した成長点部分と黄変し始めた葉のつけねに塗布しておくことをお勧めします。
おっと高濃度で塗布できるのはダイセン系(エムダイファー、ジマンダイセン、ビスダイセン)とカーバメート系ベンレートです。オーソサイドは薬害の惧れもあるので高濃度の塗布は避けます。
左側の葉は殺菌剤の塗布如何にかかわらず早晩落ちて残る元株の葉は右側2枚だけということになりますがこの2枚で子株を養って大きく育てなければならないので、残った葉は大事です。
先ほどの述べた葉水を与える際にはこの脇の新芽の葉の間には水を溜めないようにくれぐれもご注意ください。
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ご丁寧にお答えしていただき、ありがとうございました。
よく分からず、いろいろご相談してもうしわけありません。とても親切な回答ですごくうれしいです。
なるほど、私が植え替えたのは化粧鉢だったんですね。園芸屋さんで渡されてそのままこれが素焼きだと思い込んでました。。。それは株にかわいそうなことをしてしまいました。植え替えの時期がきたら、素焼き鉢に変えてあげます。。。
では、それまではメネデールをあげます。葉水というのは水(この場合は溶液ですが)を霧吹きすることでいいんですよね。。
あと、液肥を株全体にスプレーするとありますが、これは上から全体にかけるということでしょうか?葉にかかってしまっても大丈夫なものなのでしょうか?(株とはどこを指すのでしょうか?)
なるべく早めに植え替えてあげたいですが、いつごろまで待てば大丈夫でしょうか・・・やはり4月までは待った方が良いのでしょうか?
よろしくお願いいたします。
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葉水とは葉にスプレーで水を与えることです。株全体というニュアンスは葉のほかに「露出している根にも」という意味合いのつもりです。ですからもちろん葉がしっとり濡れるほどスプレーします。スプレー後に頂点の葉の間に溜まった水だけはティシュペーパーの角部分を使って吸い取っておきます。
葉水は葉裏を重点にします。葉裏は表皮組織(クチクラ層)が薄いので分子塊の小さな水であれば葉の表面からも吸湿できるからです。
この意味合いからいうと与える水は水道水を直接ではなくて湯冷ましを使えばもっと良く、鉄瓶を使っって沸騰させた湯冷ましならメネデールの有効成分と同じ二価鉄イオンを含むのでかなり有効で(濃度は薄いですが)毎回使えばメネデールは省略できると思います。
素焼きの鉢が欲しいのに釉薬の掛かった化粧鉢を渡すというのは園芸店とも思えませんね。不勉強というより無関心なんでしょうね、、、。
植え替えてから一ヶ月以上の間最低気温を18度以上に保てるのであれば植え替えは早いほうが良いかも知れません。
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ひろしさん
こんばんは。早速のアドバイスありがとうございます。
昨日早速メネデールを買ってきて、夕方から葉水をしてみました。今日で二日目なので何とも言えませんが、頑張って欲しいと思います。
今現在、一番成長が良いものが左下の鉢なのですが、それでも一番下の葉が両方ともよれよれで、色も薄くなり、大分しわが寄っている状態です。はたして回復するのか不安なのですが、このような場合、どれくらいの期間様子をみてあげればいいのでしょうか?10日程様子をみて、改善の見込みがなければ素焼きの鉢への植え替えを強行したほうが良いのでしょうか?
これからの季節、18度以上に保てるのか不安もありますが、このまましなびて行くのを見るのはあまりにかわいそうで、、、すみません。。。
今は最も日のあたりのいい南側の廊下に置いてあるのですが、鉢ごと自室に移せば、完璧とは言えないまでも少しは気温の調整が出来るようになると思います。
どのような対処が今後出来るか教えてください。
よろしくお願いいたします。
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メネデール入りの葉水を毎日与えれば10日ほどで効果は出始めるかとは思いますが、最低でも2週間は様子見が必要でしょうね。
私ならば、素焼き鉢が手許にあるなら左下の鉢は即刻植え替えてしまうと思いますが、それでも救えるとは限りませんしこのままでもメネデール葉水で回復するかもしれませんが、、、
この株は葉の枚数が多いので、根が傷んでいて、通常の管理では回復できなくても、鉢への水遣りを断ち、穴あき透明ポリ袋に入れ、葉水だけを与えて空中湿度を高く保てば下葉1〜2枚と引き換えに新根の発生を期待できる体力はあるように思えるからです。
右の鉢と脇芽の株はメネデール葉水で様子を見ます。
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いつもありがとうございます。
葉水をはじめて3日程なので、まだまだですね。。。
昨日素焼きの鉢を購入しました。一応3鉢とも買ったので、左下の鉢を植え替えようと思います。
その際、根について等、なにか注意点などありますでしょうか?
そう言えば春に初めて植え替えをした時に、(この3鉢は元々3つの寄せ植えだったのですが。)化粧鉢から出した時点で、3株とも根っこが糸の様に細かったのを覚えています。このサイトの他の方の根の写真を見るとみんな太いまま鉢の下の方まで伸びているのを見ると明らかに私の鉢は、根が細いと思いました。あの頃から始まっていたんですね。。。
では、ありがとうございました。
元気になりましたらまた写真でご報告いたします。
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細い根というのは保護層が朽ち落ちてしまった根の本体です。保護層が死んでしまうと本体も死んでしまうので(多少の時間差はあるようですが)根の機能が殆ど無かったと思われます。素焼き鉢に植え替えてもすぐの回復は難しいかも知れません。穴あきポリ袋に入れて葉水だけで新根の発生を待つ必要がある可能性が高いです。
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