胡蝶蘭（大輪、ミディ）胡蝶蘭生花の販売と胡蝶蘭の育て方　〜　生産農園で大切に育て胡蝶蘭をお届けします

No.k577　2008/07/0101301212　 【種類：胡蝶蘭の根の質問／根に白いカビが 】

ひろしさん　こたえ＞
>根に白いカビがついているのに気がつきました
根のどの部分なのでしょう？空中に露出した部分でしょうか？それともポット内が観察できるポリポットなどでポット内なのでしょうか？ カビは増えていますか？ カビのついた部分の根はどのように見えますか？ 画像が無いのでこちらは文章から想像するしかなく、私自身は根にカビが生えた事例を見たことがないので想像も困難なためです。
露出した根にコナカイガラムシがついて、その白いふわふわの卵のうがカビ状に見えたという経験はあるのですが、、、

ひろしさん　こたえ＞
疑って申し訳ありませんでした。カビそれもある種のリゾクトニアの菌糸のようです。
胡蝶蘭はある種の病原性の低いリゾクトニアと共生しているので、他種のリゾクトニアにもかなりの抵抗力があるものですが、、、。このての明らかな感染は乾かし気味の管理をしている私には今まで無縁だったようで、この症状は初見です。
この株は以前にも成長点にトラブルがあったようですね。途中でくびれているあたりに脇芽更新のような痕跡（成長方向が画像左方向にに振れている）が見えます。
そしてこのカビた根は成長点の死んだ元の株の茎の根のように見えます。
対処方法としては、この途中で左に傾いたあたりにくびれがあると思いますので、そのくびれ部分（健全な根の生えている部分の下、腐敗した根の上、画面で細くなっている部分。画面右に緑の根の痕跡のあるすぐ下のあたり）で茎を切断してカビが発生した根の茎は切り落としてください。
その後オーソサイドの１０００倍液に株全体を１０分ほど漬けて引き揚げ、５日ほど陰干ししてください。これでおそらくカビによる腐敗は止まると思います。その後普通に植えつけてください。
再発の可能性は０ではありませんがたぶん救えると思います。

No.A1554 　2008/06/163212　 【種類：胡蝶蘭の根の質問／健康な根が分かりません・・ 】

ひろしさん　こたえ＞
おっしゃるようにちょっと根ぐされしていますね。
３枚目のご自分で処理した例が掲載されていますが、これで宜しいかと思います。黄色ぽく見えるものは光に当たったことが無い根で葉緑素を全く持たないのでこんな色ですが、充実していればＯＫです。触ってすぐつぶれる部分は色に関わらず腐っていますから取り去ります。
この３枚目の画像程度であれば、普通に植え付けてあげれば大丈夫です。
他の株も同様にしてみて根の少ないものがあったら、また画像とともにご相談ください。４枚めの画像のものは腐った葉を取り除いた後は水道水で洗った後、殺菌剤（まだ手持ちが無いようでしたらマンネブダイセンをお勧めします）を濃い目に溶いて筆で塗ってその後３日ほど陰干しした後植えつけます。活きた根が少ないようであれば、植え替えた鉢ごと、穴を開けた透明ポリ袋に入れて霧吹きで湿度を保つ処置が必要です。

ひろしさん　こたえ＞
>緑の根の節
4枚目の画像右に見える根の出際のくびれのことでしょうか？
この部分は保護層が少ないだけで根全体は機能していると思います。
また胡蝶蘭ではよくあることですが、保護層が腐っても芯（根の本体導管部）が活きていることがあり、その先でもまだ機能していることがあります。こうなると長期間は生きていられませんが、暫くは機能しますので、根の量が少ないときはそんな根も残すようにしたほうが宜しいでしょう。

No.A2315　2008/04/2323212　 【種類：胡蝶蘭の根の質問／株が弱ってきています 】

ひろしさん　こたえ＞
株の症状は水不足です。
この原因が水遣りの不足なのか、根の不足、不調による吸水力不足なのか、どちらであるのかの判定を先にしなければなりません。
この株は私の目からは鉢の表面の乾き方から、どちらかというと水遣り不足の可能性が高いように見えます。昨年９月に植え替えて通常の水遣りが出来ていれば、素焼き鉢の表面はもう少しカビや藻類で汚れるものですので、、、ミズゴケを一旦乾かしてしまうと水差しでの単純な水遣りだと水がミズゴケの隙間を素通りするだけでミズゴケを潤さなかったのではないか？と考えました。
良くあるのですこれが、、、 一度バケツに冷たくない水を入れて株元まで鉢ごと水に漬けて１０分そのままにし引き上げて水切りし１週間様子を見てください。それでも回復しなければ根の不足かも知れませんが、その時点でまた様子をお知らせください。

ひろしさん　こたえ＞
改善するかと思いますが、、、一週間後くらいに経過をお知らせください。

ひろしさん　こたえ＞
こんにちは、 たしかにその後の改善はあまり見られませんね。
でも葉が丸いほうの株は新根も伸びだしたようですからこのままでもなんとか行けるかと思います。
夕方から夜の葉水を励行してください。
葉が垂れたほうはポリ袋に入院ですね。 まず針金ハンガーの針金などを利用して２本U字型に加工して両端を鉢のミズゴケに刺します。Uの頂点をビニタイなどで固定してあんどんの骨組みとします。刺す場所は葉がたれさがっているので葉を避けるようにします。
つぎにその行灯着きの鉢とはみ出した葉が収まるような大き目の透明ポリ袋を用意します。密閉にならないように空気孔をところどころに開けます。 葉裏に霧水を与えてからポリ袋に納め、ビニタイなどで袋を閉じます。 直射日光のあたらない明るい窓辺で管理します。
葉水は夕方１回、翌朝にはポリ袋内部が全面結露する程度が適正です。鉢内のミズゴケは湿っている間は鉢への水遣りはしないでください。あと一枚葉を損耗して残り一枚ということも考えられますが、それは新根に養分を回すためですから仕方ありません。
やはり植え替えのときに根一本５ｃｍは短すぎます。このあたりは地生の樹木の盆栽と違うところです。
着生蘭の根は長いのが当たり前で、短いと機能できません。なかでも胡蝶蘭は本数が少なくあれだけ太い根ですから簡単に増産もできません。
生きている根は切らずに、植え替え前に水に浸して柔らかくしてからミズゴケ玉を芯に根を巻き付けておいてからその上に薄くミズゴケをかぶせて鉢に押し込むというやり方がよいのです。

ひろしさん　こたえ＞
おそらく過湿、水のやりすぎで茎の下部から下が腐ったものと思います。
残った根は空中に出ていたために腐らなかったものですね。
残った部分の茎の芯が腐っていなければ復活は可能のように見えます。
まだ生きている茎の下部を切り取って断面を見ればわかるのですが、芯に腐れが入っていればどっちみち助かりませんし、入っていないのであれば生きている部分を傷つけるのも癪ですので、明らかに腐った部分だけ取り除いて、３日ほど陰干しします。
健全な根がもう一本でもあれば通常に植えつけたいところですが、このままでは吸水力不足が目に見えていますので、空気孔をあけた透明ポリ袋の中に入れ、直射光の当たらない場所にぶら下げておき、一日２回霧吹きで葉裏に水を与えます。
芯に腐れが入っていなければ１月〜２月ほどで新根が成長し始めるのである程度の長さになったら、通常に植えつければ宜しいでしょう。

ひろしさん　こたえ＞
黒変部はさほどタチの悪いものには見えませんが拡がりつつあるということであれば、カビ性の病気に効く、ビスダイセンなどを規定の上限まで薄めて一度鉢に灌注したあと、濃い目にといたものを刷毛や筆で黒変部に塗りこめておけば宜しいかと思います。
>突っ込みどころ満載な育て方 そうかも知れませんが、要は胡蝶蘭の生態にそって管理をすればよいわけで、なんでも教科書どおりに進めなければならないものではありません。
このコーナーでも化粧鉢にミズゴケでしかも寄せ植えのまま、２年目の花を立派に咲かせている方もいらっしゃいました。
私自身も教科書からはみ出した管理方法で（手抜きのためと栽培室がカトレアに合わせた温度設定のため）長年栽培しております。 テラコッタの焼成温度がいかほどのものかはわかりませんが、底穴があるものであれば、化粧鉢よりはかなりマシと思います。

ひろしさん　こたえ＞
こちらは根がだいぶ傷んでますね。
葉が黄色くなったのは、見たところでは病気ではなく根ぐされによる株の消耗に見えます。
腐敗した部分にウジが涌いたわけですので、まず鉢から抜き、花茎を切り取り、コンポスト（ミズゴケのようですが）を全部落として根も葉も一度水道水で洗ってください。
その後、腐った根（触るとスカスカ）を全部切り取ります。 触ってみて充実していれば生きている根ですから大切に残します。 根の残量により植え替える鉢の大きさは変わります。
根があまりないのに大きな鉢に植えると腐りやすくなるので、できるだけ小さめの素焼き鉢に新しいミズゴケで植え替えます。湿らせたミズゴケで鉢の大きさ位の球をつくり、その上に残った根を配置し、さらに薄くミズゴケをその上に載せて鉢よりやや大きめにしてから、静かに鉢に押し込んでいきます。株の首を持ち上げても鉢が株と一緒についてくるくらいの硬さまでミズゴケを鉢の周辺部に詰めます。
その後の管理は、新葉か新根が動き出すまでは、霧吹きで葉水を与え、葉か根の新しいものが出始めたら通常の水遣りにしますが、このように消耗した株をミズゴケで植え替えた場合には暫くの間、肥料やりは不要です。

ひろしさん　こたえ＞
こんばんは、 一枚目の画像、少しピントが外れているのでよくわからないのですが、黒い部分はカリカリ乾いているのか、ジトっと湿っているのかで処置が分かれます。乾いていれば外傷が治ったあとですし、湿っていれば感染症かもしれないと思います。
その近くから出ている根の色は正常なので、乾いてしまっているのかな？とも思うのですが、水遣りをした後でもないのに湿っているようなら殺菌剤（ビスダイセンで結構です）を水で溶いたものを筆で塗っておいてください。かりかり乾いていれば処置は不要と思います。
私の経験で言えば、胡蝶蘭は深植えは害が多いように感じています。少なくとも新しい根の基部はミズゴケより上に露出していたほうが株は元気です。 何本か空中をさまよっていてもなんの不都合も（見栄えは別として）ありません。

２枚目の画像を拝見するに、黄変があるのは一番元の葉ですね。植え替えを機に成長を始める準備ができて、手っ取り早く古い葉から養分を回収して新しい葉にまわすつもりかもしれません。
その場合黄色になって行っても萎れるように干からびていき、最後はぽろっと取れますがその場合は問題ありません。溶けるようにどろっと葉が崩れるように黄変する場合は軟腐ですから早急に切り取る必要があります。
ビスダイセンの散布は軟腐の予防にはある程度なりますが、蘭菌は軟腐病菌の一種でもありますので、株が疲れていたりすると突然軟腐が始まって薬剤では停められない場合があり、切り取るほか無くなることがあります。暫くはこの葉の状態を注意深く見守る必要があります。
本格的な水遣りと肥料やりは新しい根、或いは葉の成長が始まってからにしてください。肥料を始めるときは、とにかく薄めでスタートしてください。出たばかりの根に規定倍率で薄めたつもりの液肥がかかっただけで根の成長が止まることもあります。
ミズゴケ植えの場合無肥料でも株は育ちます。液肥の能書きのさらに３〜５倍程度に薄めたもので良いでしょう。 胡蝶蘭も生育が順調であれば、戸外の樹木の樹冠の下にぶら下げておけば良いのですが、植え替え直後の今は雨に当てないほうが良いでしょう。胡蝶蘭は風通しさえ良ければ35度Ｃくらいには耐えられます。ただ夜の高温３０度Ｃ以上は株を疲れさせるようで成長を休みます。この休んだ状態のときは肥料を与えない配慮が必要です。要は葉や根が成長しているときに肥料があれば良いのです、成長していないときの肥料やりは百害あって一利なしです。 難しいように感じたかもしれませんが、よく見ていればそのうち胡蝶蘭の状態が見ただけで分かるようになります。

ひろしさん　こたえ＞
おっと、見落としていました。 メネデールは肥料ではありません。成分はあやふやな記憶ですが二価の鉄イオン、ミネラル剤ですね。植え替え直後に与えると根の発生を促進する効果があると私もおもいます。霧吹きで葉水に使うのも良い方法です。昔はよく使いました。ただ高価なのと最近はあまり生き死にに関わることもないので使っていません。
肥料は通常は３要素といわれる窒素Ｎ、燐酸Ｐ、カリＫのどれか、或いは全部を含むものを言います。生産者はピータースブランドをお使いのようですが、普通の園芸店、ホームセンターでは手に入らないことが多いので、タケダ園芸資材さんのものを使うことになるでしょう。 胡蝶蘭には液肥だけの使用をお勧めします。吸収が早く切り上げるのが簡単だからです。株の育成にはＮ：Ｐ：Ｋ＝6：6：6とか、10：10：10、あるいは6.5：6：19などがお勧め、観葉植物用などという窒素分だけ高いものは避けてください。花芽形成時期（成長期の終わり）には窒素分を全く含まない0：6：4を与えると良いでしょう。 希釈の仕方はこの３要素の数字を全部足して00をつけるとよいです。6：6：6なら1800倍、10：10：10なら3000倍というようにします。この方式でいくと説明書の書いてある倍率の３倍程度の希釈倍率となります。これ以上薄くてもかまわないです。特に与え始めるときはさらにこの倍くらいからスタートして様子を見るのが安全ですね。

ひろしさん　こたえ＞
下葉が黄色くなるということですが、なり方が問題で、萎びて乾いて縮んでいくのであれば、問題ありません。単に養分を回収して新葉、新根の成長にまわすための、つまり成長のための手段です。 問題なのは黄化とともに溶けて崩れていく感じのときです。そうであれば、軟腐ですので、早急に切り取って葉の基部に殺菌剤を筆塗りしておく必要があります。また株全体にも殺菌剤の散布をしたほうが良いでしょう。
経過をお聞きして、さらに改めて画像を見なおして思ったのですがdevilcatさんの胡蝶蘭は植え替える前からあまりよい状態ではなかったようですね。 寄せ植えをばらして単鉢へと植え替える作業は、実は一刻も早いほうが救命率は高いのです。
今後また機会がありましたら、花の盛りに切って切花にして、ばらすのが一番良いのですが、さすがにそれはしのびないでしょうから、花が一輪でもしぼんだら、決行のタイミングと考えてくだされば宜しいかと思います。

蘭と共生しているといわれる蘭菌（実は蘭のほうが蘭菌から搾取している片利共生に近い）はリゾクトニアといわれる植物の病原となる不完全菌類の一属の一種で他のリゾクトニアよりは病原性は低いもののやはり宿主が弱ると暴れだすのです。こうなると外から薬を与えても効かないのだ、と私は観察しています。バルブを持たず、多肉で水分に富んだ葉に養分を蓄える胡蝶蘭ではこの共生菌（奴隷菌！）の反乱は命取りです。カトレアやデンドロは新芽、新葉がやられてもバックバルブが健在であれば復活は簡単なのですがね。
実際胡蝶蘭の軟腐は２つのパターンがあり、外部感染のものは他の植物の軟腐病と同じで悪臭を発しながら溶けますが、罹患部と健常部との境界が割りにはっきりしているので、罹患部の切り取り、殺菌剤の塗布、はそれなりに効果がありますが、それに対し、株が弱ったときの軟腐は自壊的に境界もあまりはっきりしないまま急速に拡がり、たいていの場合そのまま死に至ります。この場合の殺菌剤の塗布や散布は気休めみたいなものかも知れないとも思うのですが、稀に持ち直すこともあるので、やはりやらないわけにはいきません。
結構な経験をつんだつもりの私ですが、この自壊的な軟腐は過去に他人様の寄せ植えの植え替えを何度も依頼されましたので、実は何度も経験しています。
やはり弱りきった株は救えないのです。この３〜４年植え替えを依頼されたことが無く、長年平穏に育てている自分の株の世話しかしてなかったのですが、思い出したついでに書いておきました。参考にしてください。