ひろしさん こたえ>
結論から言えば発症した株は助かりません。3株目が感染していないことを願うばかりです。
病気はフザリウム症です。原因菌のフザリウムはどこにでもいるカビの一種です。病気にはならなくても普通の胡蝶蘭の鉢にも必ずいるといってよいほど普通の菌なんですが、胡蝶蘭が弱った状態で共生菌であるリゾクトニアが宿主である胡蝶蘭を見限った状態では、フザリウム菌は簡単に根から侵入、茎(葉のついている部分)内部を侵しますので、このように症状が出たときは手遅れという事態になる、というものです。
胡蝶蘭の根が弱る原因として花時の水遣り過多が挙げられます。これは管理している園芸店のレベルにも問題があるのですが化粧鉢の表面の化粧にかぶせてあるミズゴケが乾けば内部の湿り具合に関係なく水遣りするので、ほとんどの場合過湿で空気不足になっています。胡蝶蘭の生き方は、皆さんが慣れ親しんだ温帯地生植物とは根本的に違う樹上着生ですので、根の働き、構造が全く違うのです。根は空気にふれていないと生きていけないのですが、そのことを理解されていない方が多いのです。根が濡れたままでは根が死んでしまうということで、園芸店に長くおいてある胡蝶蘭の根は既に瀕死の状態にあると考えても良いくらい、、、
そして植替えですが、根も整理して古いミズゴケは取り去るのが普通ですが、これは健全な株の植替えはそれでOKなんですが、ミズゴケにある共生菌であるリゾクトニアの外生コロニーを取り去ることでもあります。リゾクトニアの外生コロニーは通常他の雑菌の侵入を防ぐ役割を果たしているのですが、植替えにより取り去られたのと、免疫力の落ちた弱った根の胡蝶蘭ということでどこにでもいるフザリウムの出番になるわけですね。あっというまに僅か10日ほどで茎内部が侵された可能性があります。あるいはその前から既に感染していた可能性もありますが、、、
これは植替えの良否、巧拙の問題ではなくめぐり合わせの結果ですのでお気を落とさずに、、、
今後のために申しますと植え方が少し深いです。根の出る茎の基部が見える深さが正解です。病気とは関係ない話ですが、3株目が生き延びるようであれば、表面のミズゴケを少し取り去ってあげてください。
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